2019.06.24更新

【配偶者居住権の新設】

 

自宅はあっても、他に財産がない場合、配偶者と子供との間の遺産分割において分割が思うように整わないことが見られます。なぜならば、自宅を相続した配偶者はそれに見合った金銭を子供に払えず、転居や自宅の売却を求められてしまうことがあるからです。

 

そこで配偶者に新たに認められた権利が配偶者居住権です。配偶者が相続発生時に被相続人所有の建物に居住していた場合に、配偶者は、遺産分割において配偶者居住権を取得することにより、終身又は一定期間、その建物に無償で居住することができるようになります。

 

自宅を使用する権利を取得した配偶者は配偶者居住権として登記をしなければいけません。登記をすることで第三者への対抗要件を取得することができるのです。

 

一方、配偶者居住権を設定した状態で、その配偶者が認知症となった場合はどうなるでしょうか。認知症になり、施設に入居するため、自宅の売却を検討した場合、容易に売却や取り壊しをすることはできません。

 

配偶者居住権の設定は、相続時における配偶者の居住権の確保を目的として新設されました。親族間の関係が良好で、お互いの生活を支え合うことができるのであれば、メリット・デメリットをよく検討した上で、配偶者居住権の設定について慎重に決断する必要があります。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.06.10更新

 相続税法は民法を土台としています。時代が進む中、家族のあり方や財産の形成方法は大きく変わってきました。一方で法律は旧態依然としていたたため、実態と法律の内容が乖離している場面がしばしば見られました。

 

 例えば、平成25年12月5日に成立した民法の一部改正です。これまでは婚姻関係のない男女から生まれた子供、いわゆる非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1でした。しかし、この改正を受け、非嫡出子も嫡出子も法定相続分が同等となりました。

 

 そのような中、相続法が1980年以来、約40年ぶりの改正を迎えます。税金がかかる、かからないにかかわらず、今回の改正には影響の大きな重要項目が盛り込まれています。改正内容のチェックは重要です。

 

6つの大きな改正内容

① 配偶者居住権の保護
② 遺産分割に関する見直し
③ 遺言制度の見直し
④ 遺留分制度の見直し
⑤ 相続の効力(権利・義務の承継等)に関する見直し
⑥ 相続人以外の者の貢献についての考慮
 

 

次回から各改正内容について詳しくお話していきたいと思います。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.05.27更新

相続が発生した後、行うべき(行った方がよい)手続きについて3回にわたりお話ししてきました。最後の第4回は各種手続きの中でも「専門的」なものについて紹介します。

 

下記手続きは、その資格登録者にのみ認められています。状況に応じて複数の専門家が連携を取り、相続の手続きは進みます。ほとんどの場合、各専門家には提携している士業がいるため、依頼をした先で紹介を受けることができます。

 

〇相続税・所得税申告       :税理士

〇不動産の名義変更           :司法書士

〇係争(遺産分割調停)    :弁護士

 

ここでは特に相続税・所得税申告の専門家である税理士についてお話しします。

 

現行の税法では、相続税の計算方法は法定相続分課税方式を採っています。法定相続分課税方式とは、亡くなった方が保有されていた全財産を仮に法律で定められた相続分で取得した場合にいくらの税金が課されるかというものです。よく「私は△△△円貰ったんだけど、いくらの税金がかかるの?」といった質問を受けます。答えは「わかりません」です。

 

申告期限は相続開始後10か月以内に行う必要があるため、相続人間で連絡の取り合いが出来ていない、もめているような場合には早急に全財産の把握をしなければなりません。→Vol.3参照

 

相続税は10人税理士がいれば10通りの申告書が出来上がるといわれるほど、経験や専門性の深さで納税額が分かれます。10か月の申告期限の中で、早い段階で依頼をして頂ければ、それだけ調査・検討する時間を設けることもできます。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.05.13更新

 相続が発生した後、行うべき(行った方がよい)手続きは多岐にわたります。第1回は死亡に伴う自治体等への届出、第2回は死亡に伴い発生する権利の請求についてお話ししました。第3回では故人が保有していた資産や債務にかかる名義変更や解約手続きについてお話しします。

 

 経済情勢に左右される株式時価は短期間のうちでも大きく変動します。名義変更や解約手続きを行っている間に時価が大きく下がることはよく耳にします。

 

 金融機関が合併する前の古い通帳はありませんか?定期預金の金利キャンペーンで移動を繰り返しそのままになっている定期預金はありませんか?「誰に」「何を」相続させるかも重要ですが、「どこに」「何が」あるのかを元気なうちに整理し、相続発生後、手続きに困ることのないよう準備をする必要があります。

 

〇銀行口座の解約

〇貸金庫契約の解約

〇証券(株式)口座移管手続

〇単元未満株の小計

〇クレジットカード解約

〇信用金庫等の出資金の返還

〇住宅の火災保険契約の名義変更

〇借入金の名義変更

 

 各種手続きは平日の昼間でしか対応してもらえないものが多くあります。日中仕事をされている方で有給休暇を利用し手続きをされた相続人の方がいらっしゃいました。また、相続人の奥様やお子様が相続人に代わって不慣れな手続きをされたケースもあります。

 

 財産・債務の確定は相続税の申告に繋がります。申告時に必要な資料を名義変更や解約手続きと同時に金融機関等に請求いただくためにも、早い段階で税理士事務所にご相談いただくことをお勧めします。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.04.25更新

 

遺言書を作成するかしないかは当然ご本人様次第ですが、例えば以下のようなケースに

該当する場合は作成しておいた方が望ましいと言えます。

 

① 何か事業を行っていてその自社株を確実に後継者に相続させたい

② 相続させる財産を相続人ごとに差をつけたい

③ 子供がおらず、配偶者と兄弟姉妹が相続人となる

 

揉めずにスムーズな相続を行うためにはやはり遺言書を作成しておいた方が無難です。

ただ遺言書を書いたとしても争族にならないよう、揉める可能性をできるだけ排除して

書くことが必要です。

 

例えば公正証書遺言の形を取る、最初から遺留分に配慮した内容とする、特定遺贈の形

をとり、すべての財産について取得する者を特定させる等です。

 

遺産分割協議が整わないと税制上の優遇措置が適用できないなどデメリットも多いため、

注意が必要です。

 

大阪相続税サポートセンターでは、相続税に強い税理士をはじめとする専門家が、遺言書

作成・遺産分割協議から相続税の節税・申告までサポートします。お気軽にお問い合わせ

ください。

 


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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.04.15更新

相続が発生した後、行うべき(行った方がよい)手続きは多岐にわたります。前回は、死亡に伴う自治体等への基本的な届出についてお話ししました。今回は「行った方がよい」手続きについてお話しします。

 

【死亡に伴い発生する権利を請求する手続き】

〇葬祭費の請求

国民健康保険の被保険者が死亡した際、葬儀を行った方に対して国や自治体から3~5万円の費用が支給されます。

 

〇埋葬料の請求

協会けんぽの被保険者が業務外で死亡した際、健康保険から5万円が支給されます。

 

〇高額療養費の請求

医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた部分が払い戻されます。

 

〇預け金等返還請求

施設に入居していた場合、入居時に支払った預け金の一部の返還を受けることが出来る場合があります。

 

この他にも加入していた年金の別に遺族年金、遺族厚生年金、遺族共済年金や労働災害で死亡した場合の労災遺族給付等、故人の状況に応じて取ることのできる手続は異なります。

なお、請求手続きで受け取った金銭について、税金が発生することがあります。取扱いについてご不明な場合は税金の専門家である税理士にお尋ねください。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.04.09更新

小規模宅地等の特例とは個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開

始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用

に供されていた宅地等のうち、一定の要件を満たすものについては、相続税の課税価格か

ら一定割合を減額できる制度を指します。

 

小規模宅地等の特例が使える土地には「特定事業用宅地等」「貸付事業用宅地等」「特定

居住用宅地等」の3つのあります。

 

特例が使えるためにはそれぞれ一定の要件を満たす必要がありますが、要件を満たせば相

続税評価額から大幅な減額が適用できますので、是非検討すべき特例となります。

 

今回は「特定事業用宅地等」についてみていきたいと思います。
このケースは被相続人所有の土地建物で事業を行っていたケースなどが考えられます。
要件を満たせば400㎡を限度として80%まで減額することができます。

 

例えば土地300㎡、評価額1億円の場合、特例適用後の評価額は下記となります。
評価額:1億円-1億円×80%=2,000万円

このように大幅な評価減が実現できます。

従前は相続開始の直前に被相続人等の事業の用に供されていれば良かったのですが、平成

31年4月1日以後に関しては相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等が本特

例から除かれることになります。

 

お亡くなりになられる直前に事業供用し特例を受けることへの対応策と考えられます。
この点に注意して特例の可否を判断していくことになります。

 

 

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ください。

 


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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.04.02更新

相続が発生した後、行うべき(行った方がよい)手続きは多岐にわたります。相続開始後、息つく暇もなく各種の手続きの期限が迫ってきます。これらの手続は実際に体験した人でないと、その煩わしさ、手間はわかりません。その時、慌てないためにもどのような手続きがあるかを確認し、生前にしっかりと話し合う必要があります。

ここから全4回で各種手続きについて説明をします。

 

【死亡に伴う自治体等への届出】

〇死亡届

〇火葬許可

〇健康保険「喪失」「変更」

〇介護保険資格「喪失」

〇後期高齢者資格「喪失」

〇年金受給者死亡届

〇運転免許の死亡取消

〇公共料金等(電気・水道・ガス・電話・インターネット・NHK)の契約者変更

 

「姻族関係終了届」を提出し、配偶者の血族と縁を切る方もいらっしゃるようです。また併せて「復氏届」を提出することで結婚前の戸籍の姓に戻すことも出来ます。各種手続きには期限があるもの、ないもの様々です。

近頃では、役所内に「おくやみコーナー」を設置し、亡くなられた方に関する様々な手続きをワンストップで相談することもできます。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.03.25更新

「遺贈」とは遺言によって財産を無償で譲渡することを言います。

そして「遺贈」によって財産を受け取ることを「受遺者」と言います。

 

譲る相手に特に制限はなく、親族ではない他人に対しても「遺贈する」と表現することが

できます。

 

「遺贈」には「特定」遺贈と「包括」遺贈の2種類があります。

 

「特定」遺贈は、遺贈する財産を具体的に特定して遺贈する方法を指し、「包括」遺贈は、

相続財産を特定することなく、その全部又は割合的な一部を特定の者に遺贈することを指

します。

 

具体的には「大阪府○○市○○番地の土地をAさんに遺贈する」という形で財産を特定さ

せて行う遺贈が特定遺贈となります。

 

一方、「全財産の1/2をAさんに遺贈する」という形で行う遺贈が包括遺贈となります。

 

なお、特定遺贈は包括遺贈とは違い、特に遺言で指定をされていなければ遺言者の借金な

どのマイナスの財産を引き継ぐことはありません。

 


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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2017.09.19更新

相続財産を引き継ぐかどうかの選択肢として、3つの方法を、前回お伝えしました。
相続人が最適な方法を選択できると同時に、少し注意が必要になってきます。


■3か月以内という期限

 

プラスの財産の方が多い場合、単純承認で相続しても、相続財産で借金を支払うのが可能なため、問題は生じません。
しかし、マイナスの財産が多い場合、「相続の開始を知った日から3か月以内」に、限定承認や相続放棄の手続きをとらずにいると、自動的に、単純承認となってしまい、マイナスの財産を含め、全財産を相続することになります。
 
■被相続人の財産に安易に手をつけない
 
例えば、亡くなられた人の葬儀費用を亡くなられた人の現預金から支払えば、単純承認したとみなされ、原則、限定承認や相続放棄ができなくなってしまいます。
限定承認や相続放棄は、裁判所の判断をもって決定されますので、気を付ける必要があります。

 

■限定承認のみ、相続人全員で申請する必要がある

 

前回ふれましたが、相続人が複数いる場合、相続人全員が共同してのみ、限定承認申述を行うことができます。一人でも限定承認に反対の者がいる場合、相続放棄した方がよい場合もあります。
 

 


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