2020.05.25更新

前回、相続税がどのように計算されているのかをざっくりと解説させていただきました。

今回は、相続税を取られたくない、安く抑えたいという方におすすめのコラムとなっております。

 

まず前提として、相続税を安く抑えるには前回コラム「相続税の計算方法」の図の緑の部分を

減らしてしまえばいいのです。

 

これまで相続税の申告を行う中で、「以前からこうしておけばもっと安く抑えられたのに…」と

思ってしまう申告が数多くありました。

 

相続税対策と一口に言っても、できることはたくさんあります。

まだまだ元気なうちから対策を行うことはもちろん、被相続人の方が亡くなられてからでも

相続税は安く抑えることが出来ます。

 

基礎編Ⅰでは生前での対策について簡単にご説明いたします。

 

最も一般的に広く利用されているのは「生前贈与」です。

贈与は受け取る側の方は年間110万円までなら税金を支払わずに財産を譲り受けることが出来ます。

 

この方法にはメリットが大きい点、デメリットも存在します。

 

【メリット】

①誰にでも財産を譲ることが出来るため、お孫さんや親せきの方にも財産を譲ることが出来る。

②贈与は「贈与者」と「受贈者」が譲る、受け取るという合意で財産を移転できるため、

 数ある対策の中でも最も行いやすい。

③財産を特定の方に譲ることが出来るので、「争続」を防ぐことが出来る。

 

【デメリット】

①贈与契約書等、対外的に証明できるものを作成しない場合、税務署側から贈与を認められず、

 相続財産に算入されてしまう危険性がある。

②被相続人が亡くなる以前3年間に行った贈与した財産は相続税の計算上、相続財産として扱われる。

③贈与契約書に「毎年110万円ずつ贈与する」などの記載を行った場合、「毎年110万円を受け取る

 権利をその年に得た」と考えられ、その「権利」に対して贈与税が課税される。

 

以上、メリット、デメリットを3つずつ掲げました。特にデメリットの中で最も恐ろしいのは

③の「権利」に対する課税です。

もしこれが「20年間」の契約とすると・・・

110万円×19.979(※)=2,197万円の権利として贈与税が課税されます。

(※年0.01%の複利年金現価率:20年の場合)

 

ちなみにこの時の税額は…約800万円!!

 

無税で財産を移転できると思っていたものが、たった一つの文章で800万円の税金になってしまいます。

このようなリスクを避けるためにも、専門家にご相談ください。

 

もし誰に相談してよいか分からない場合は、我々、大阪相続税サポートセンターにお任せください。

遠方の方でもテレビ会議システム等を利用し、対応させていただきます。

初回のご相談は無料、お気軽にお問い合わせください。

 

◆大阪市で相続税の申告・相続税対策なら大阪相続税サポートセンター

投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2020.05.12更新

今回は、相続税の計算がどのように行われているのか、ということをざっくりとわかりやすく

解説いたします。

 

相続税は、亡くなられた方の亡くなられた時点での財産に対して課税されます。

もし亡くなられた方に借金や未払の税金があれば財産から差し引かれます。

それから、お葬式等にかかった費用があればその費用も財産から差し引くことができるのです!

お葬式等にかかった費用(お布施や花代)の領収証は捨てずに保管しておいてくださいね!

 

     相続税

 

ここまでの話だと、「親族が亡くなったら借金の方が多くない限り、絶対に相続税が発生するの?」と

思いますよね。

実は、ある一定の金額までは相続税は課税されないようになります。

一定の金額・・・?

 

解説いたします。

相続税には「基礎控除」という考え方があります。

この基礎控除は誰でも変わらない部分と、亡くなられた方の相続人の人数によって変わる部分によって

構成されます。

 ◎誰でも変わらない部分:3,000万円

 ◎相続人の人数によって変わる部分:相続人一人につき600万円

簡単な例をお伝えいたしますと、亡くなられた方の相続人を配偶者(妻または夫)と子供3人の合計4人とすると・・・

 ◎誰でも変わらない部分:3,000万円

 ◎相続人の数によって変わる部分:600万円×相続人4人=2,400万円

 ◎合計:3,000万円+2,400万円=5,400万円

この家庭だと上図の緑色部分が5,400万円以下であれば相続税はかからないということになります。

これだけでも、親族の方がお亡くなりになられた際に税金がかかるかどうかを簡単に判断できますね!

 

今回は簡単に相続税の計算方法をお伝えしました。

ただ実際には土地等があると複雑な計算になるため、ご自身で判断されるのは税金の不納付となり、

無駄に利子のようなものをとられてしまう可能性があります。

そのような場合には当サポートセンターまでお問い合わせください。

初回のご相談は無料で対応させていただいております。

 

◆大阪市で相続税の申告・相続税対策なら

大阪相続税サポートセンター

 

 

投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.12.03更新

弊所では、下記日程の間、年末年始休暇となります。

期間中は皆さまにはご不便ご迷惑をおかけいたしますが、

ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。

 

■年末年始休暇期間

 令和1年12月28日(土)~令和2年1月5日(日)

 

どうぞよろしくお願いいたします。

投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.09.17更新

相続税申告の相談を受けた際、税理士事務所では亡くなった方の生前の申告状況についてお伺いすることがあります。

 

 1つ目は過去の所得税・消費税の確定申告についてです。「準確定申告」はその年の1月1日からお亡くなりになった日までの所得税の計算を相続開始日から4ヶ月以内に行います。日頃よりお客様として関与させていただいている場合は事務所内に過去の申告書のデータや紙面が残っているため、それらに基づいて申告書を作成します。ですが、単発で来られたお客様については過去の申告や届出・申請状況がわかりません。ご家族の方に伺っても詳しくご存じないことが多く、税務署でこれらの確認することは重要なことであり、閲覧は欠かせません。

 

 2つ目、相続税申告では、今回の相続における被相続人が過去10年以内に別の相続で財産を取得し、相続税を支払っていた場合に、過去に被相続人が支払った相続税の一部を今回の相続税から控除できるという内容の特例があります。(相次相続控除といいます。)こちらについても、当時の相続税の申告内容を確認する必要があります。

 

 申告書等の閲覧はお客様が直接税務署に行って確認することも可能ですが、ただでさえ複雑な申告書。殆どの場合はお客様から委任状をいただき、税理士が税務署に行って確認をします。

 

 これまでは閲覧した書類をコピーすることが出来なかったため、その場で申告内容を書き写していました。過去の申告状況はこれからの申告書作成業務に大きく影響するため、内容を細かく書き取る必要がありました。税目、年分が多岐にわたるとこの作業だけでもすぐに数時間かかってしまいます。

 

この申請書等閲覧について、今般改正がなされました。

以下は申請書と委任状の新しいフォーマットです。

 

 

閲覧申請書       委任状

国税庁HPからダウンロードできます

 

 令話元年9月1日より、閲覧申請者が写真撮影を希望している場合、その場で写真撮影することが可能になりました。ただし、動画での撮影は認められていません。また、「収受日付印」「氏名」「住所」等は隠して撮影しなければいけないため、受付日を控えておきたい場合は書き取りが必要です。

 

手書き    スマホ撮影

 

 

 

投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.09.02更新

【相続人以外の者の貢献についての考慮】

 

被相続人の介護や看病など、お子さんが親御さんのお世話をされている家庭は多くあります。これまでそういった方への貢献を考慮して、相続の場面で「寄与」という制度がありました。これは、他の相続人との間の不公平を是正する目的で設けられおり、寄与分を主張することで、法定相続分よりも多くの財産を受け取ることができました。

但しこれまで、この制度により寄与分を請求できたのは法定相続人(法律で定められた相続人 Vol.6参照)に限定されていました。つまり、内縁関係の人や、息子の配偶者などたとえ被相続人の介護や看病をしたり、生活を支えていたとしても寄与分の対象になることができませんでした。

 

実際に、被相続人の介護や看病をされているのは子供の配偶者、というパターンが多いのではないでしょうか?上記に照らせば、法定相続人でない子供の配偶者には寄与分を請求できる権利は有りません。

 

この度の民法改正により、相続人以外の被相続人の親族も金銭の請求をすることができるようになりました。実質的な公平が図られることになったということになります。但し、以下の者は請求することは出来ません。

【特別寄与料を請求できる親族から除かれる者】

○相続人

○相続放棄者

○欠格または排除により相続権を失った者

 

寄与分の請求により財産を取得した者は相続税の申告が必要です。

 

弊所では相続税専門の税理士が対応します。お困りごとがございましたらどうぞご相談ください。

投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.08.19更新

【相続の効力(権利・義務の承継等)に関する見直し】

 

法定福利費、法定代理人、法定相続分・・・

「法定」〇〇、と単語の前に「法定」と付く言葉は色々とあります。「法定」とは、文字の通り、「法律で定められた」という意味を表します。法定福利費であれば、法律で定められた福利費。法定代理人は法律で定められた代理人。法定相続分は法律で定められた相続の取り分です。

 

法定相続分の例

相続人が

 □妻と子2人の場合            妻(1/2) 子   (各1/4

 □妻と両親の場合              妻(2/3) 両親(各1/6

 □妻と弟1人の場合            妻(3/4) 弟   (1/4

となります。

もちろん、相続人間の話し合いでこれを超えた相続をすることも可能ですし、遺言により法定相続分を超えた遺贈をすることも可能です。

 

 この度、法定相続分を超えて権利を相続した人は、法定相続分を超える部分について第三者に対して自分のものである権利を主張するために、登記や登録などの各種手続きが必要となりました。これはたとえ、遺言書で「相続させる」旨の記載があったとしても、手続きが必要です。つまり、遺言の効力が絶対でなくなったということです。

 

 遺言がある場合でも、登記をはじめとした相続手続きを早期に行わないと、相続人の一部が自らの名義で相続登記を行い、第三者に売却してしまった場合には、対抗することができなくなります。

 

登記や権利関係については、弁護士や司法書士が専門となります。弊所では相続業務を得意とする各専門家と連携を取って相続業務にあたっております。お困りごとがございましたらどうぞご相談ください。

投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.08.05更新

【遺留分制度の見直し】

 

「遺留分」という言葉、聞いたことがある方、また単語は知らなくとも意味をなんとなくご存じの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?遺留分とは、被相続人の財産のうち、一定の範囲の相続人に認められている最低限保証された相続財産のことです。被相続人が生前、「愛人に全財産を遺贈する」と言った遺言書を作成した場合であっても、配偶者や子どもたちは財産を取得する権利を主張することができるのです。

 では、その最低限保証された権利をどのように受け取ることができるのか、この点についてこの度、民法改正が入りました。

 

現行法:現物での返還が原則

改正後:金銭支払いの請求が可能

 

現行法において、遺留分権利を主張する者には金銭による弁償を選択する余地はありませんでした。以下に例を挙げてみました。

 

 

(例)

経営者であった被相続人が、事業を手伝っていた長男に会社の土地建物を相続する旨の遺言をし、死亡した。一方、長女は僅かな現金を相続した。これを不満に思った長女が遺留分を主張。

遺産争族

 

 

 長女が遺留分を主張し、最低限認められた財産をどこから取得するのか。これは長男が相続した会社の土地建物の一部を受け取るというのがこれまでの取り扱いでした。そのため、会社の土地建物が長男と長女との共有状態になり、権利関係が非常に複雑な状態になっていしましました。

 

 改正後、遺留分請求による生じる権利は金銭債権となるため、長男は会社の土地建物を単独所有することができ、共有関係が当然に生ずることを回避することができました。また、遺言により、目的財産を長男に遺したいという遺言者の意思も尊重することができるようになりました。

 

弊所では相続税専門の税理士が対応します。お困りごとがございましたらどうぞご相談ください。


 

投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.08.01更新

弊所では、下記日程の間、夏季休暇となります。

期間中は皆さまにはご不便ご迷惑をおかけいたしますが、

ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。

 

■夏季休暇期間:8月13日(火)~8月16日(金)

 

どうぞよろしくお願いいたします。

投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.07.22更新

【遺言制度の見直し】

 

法律番組等で、自筆証書遺言(全文を自筆で書き上げる遺言書)の有効・無効に関する特集を目にしたことがある方は多くいらっしゃるかと思います。自筆証書遺言は自分一人で書くことができ、手数料もかかりませんので、一見すると手軽に作成できると思われがちです。ですが、有効な遺言書を作成するためにはいくつもの要件が厳格に定められていました。そのため、せっかく作成したものの無効になってしまう恐れがありました。

そこで、この度の民法改正により、自筆証書遺言の方式を緩和する方策が施行されました。

 

現行制度

自筆証書遺言を作成する場合には、全文自署する必要がある

 

改正によるメリット

自筆によらない財産目録を添付することができる

パソコンで目録を作成

通帳のコピーを添付

※ただし、財産目録の偽造を防止するため、各ページに署名押印(認め印・可)が必要

 

相続税法の改正を受けて、無料で遺言書が自動作成できるサービスを大阪の弁護士が代表を務めるベンチャー企業が提供を開始しました。

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また、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度も併せて創設されました。法務局で保管をしてもらえることで、改ざんや隠蔽の恐れがなく、また災害による滅失を防ぐことができます。更に、家庭裁判所による検認が不要であることから相続手続きをスムーズに行うこともできます。ただし、遺言の内容について審査をしてもらえるものではないため、内容に法的な問題(=無効な内容)が含まれることがあります。

法務局による保管制度は2020年7月10日より施行されます。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.07.08更新

【遺産分割に関する見直し】

前回は、「配偶者の居住の権利」についてお話しました。今回取り上げる「遺産分割に関する見直し」も前回同様、配偶者を手厚く保護する内容となっています。

 

現行制度

 

生前に財産の前渡しとして、配偶者に居住用不動産を贈与することがあります。こういった贈与等を行ったとしても、原則として遺産の先渡しを受けたものとして取り扱うため、配偶者が最終的に取得する財産額は、結果的に贈与等がなかった場合と同じになります。

 

改正によるメリット

「婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住建物等の遺贈又は贈与については、持戻免除の意思決定があったものと推定する」

このような規定を設けることにより、原則として遺産の先渡しを受けたものと取り扱う必要がなくなり、配偶者は、より多くの財産を取得することができます。つまり、贈与等の趣旨に沿った遺産の分割が可能になるのです。

 

 

また、預貯金が遺産分割の対象となる場合に、各相続人は、遺産分割が終わる前でも一定の範囲で預貯金の払い戻しができるようになります。

これまでは、相続の開始が銀行に伝わったと同時に、口座は凍結され、預貯金の引き出しをすることができませんでした。そのため、当座の生活費や葬儀費用の支払資金についても遺産分割が終了するまでの間は払い戻しを受けることができませんでした。

今後は、金額による上限があるものの、一定割合について家庭裁判所の判断を経なくても、金融機関の窓口において支払いが受けられるようになります。

 

払戻額≦相続開始当時の預貯金残高 × 1/3 × その相続人の法定相続分

(※ただし、1つの金融機関から払い戻しが受けられるのは150万円までです)

 

弊所では相続税専門の税理士が対応します。お困りごとがございましたらどうぞご相談ください。

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

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